
日本の文化
言語
日本語の起源
全世界で使われている言語の数は、7千にも上ると言われています。日本語もその中の1つです。使用人口について正確な統計はありませんが、日本国内の人口に加えて日本国外に住む日本人や日系人、日本がかつて統治した地域の一部住民など、約1億3千万人以上が日本語を母国語として使っていると考えられています。この数は世界の母国語話者数で上位10位以内に入ります。
また、かつて日本に委任統治されていたパラオも一部地域で日本語を公用語と定めています。
日本語の起源に関しては、北方の言語である「ウラル・アルタイ語族」とする説、南方の言語である「マライ・ポリネシア語族」とする説、その両者が重なり合ったとする説、英語、ペルシア語、インドの言語などを起源とする説など、色々な説が沢山存在しますが、どれも学界全体の合意を得たものではないため、定説とはなっていません。
日本語の特徴
1)文法
日本語の文法の基本語順は、SOV(主語・目的語・動詞)です。そのため、最後まで聞かないとどのような内容か分かりません。日本語の文法にはその他にもさまざまな特徴があります。
①男女を区別する必要がない
日本語の名詞にはロシア語のような男性名詞・女性名詞・中性名詞といった性はありません。また、日本語の名詞は人と物の区別もしません。その理由は、物事の名称を表す名詞が主語になるからです。名詞が主語の役割を果たすため、「先生です」というように、「男性の先生」なのか「女性の先生」なのか性別を言わなくても日本語の文章として成立します。
②単数・複数に左右されない
日本語の名詞は単数・複数を表さないのが特徴です。たとえば日本語で「花です」と言った場合、それが1本の花を表しているのか、お花畑に咲いているたくさんの花を表しているのか分かりません。それは物だけではなく、人の場合でも同じです。「彼には妹がいます」と言った場合、妹が一人いるのか、何人かいるのか分かりません。
③曖昧な表現が多い
日本語の文法は、受け手に判断を任せるあいまいな表現が多いのが特徴だと言われており、受け手側が自分の想像力の中で補う要素が多いです。
また、はっきりと断定しない表現が多いのも日本語の特徴です。特に口語の中ではそれが顕著となります。
2)文字
日本語にはひらがなとカタカナ、漢字の3種類の文字があります。ひらがなとカタカナはそれぞれ46文字ですが、漢字は常用漢字だけでも2,000字以上あり日本人は基本的な漢字(教育漢字)の読み書きの勉強を6年かけて行います。
➀ひらがな
ひらがなは、発音を音で表す音節文字です。日本語の読み書きを学ぶ際、最初に勉強する文字でもあります。ひらがなは一部の例外を除いて1文字1音です。漢字をもとに文字が作られています。

ひらがなの成り立ち
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②カタカナ
カタカナはひらがなと同じく発音を音で表す音節文字です。外来語や外国語、和製英語を日本語で表すときにカタカナが使われます。ひらがなと同じく漢字をもとに文字が作られていますが、字画がひらがなよりもシンプルです。

カタカナの成り立ち
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カタカナの成り立ち
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(こ ちらのページから学習に便利なカタカナ表が無料でダウンロードできます)
③漢字
漢字は、日本語を勉強する際の最も難しいポイントともいわれています。一つの漢字に読み方が複数あったり書き方が複雑だったりするため、日本人でも間違える人が多い文字です。なお、漢字は音節文字ではないため、一文字一文字に意味が込められています。漢字を2つ以上組み合わせて特殊な読み方をする場合もあります。たとえば、「日」という漢字は本来「ひ」「にち」と読みます。しかし、「明日」という言葉になると「あした」もしくは「あす」と読むのです。
「法令、公用文書、新聞、雑誌、放送など、一般の社会生活において、現代の国語を書き表す場合の漢字使用の目安」として、
内閣告示「常用漢字表」で示された現代日本における日本語の漢字を「常用漢字」といい、日本で「漢字」と言った場合はこの「常用漢字」を指すのが普通です。その数は2010年の内閣告示で2,136字に定められています。ただし常用漢字は「基準」であって、「制限」ではありませんので、実際にはもっと多くの漢字が使われています。

漢字は書き順も大切です
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3)発音
日本語は母音が5音、子音が13音しかないのが特徴です。イントネーションによって言葉の意味が変わる場合があります。例えば「はし(橋)」と「はし(箸)」、「かき(柿)」と「かき(牡蠣)」を区別するものはイントネーションです。
4)語彙
日本語にはたくさんの語彙があり、同じ意味を持つ違う言葉も複数存在します。日本語を勉強している方は、あまりの語彙の多さに戸惑うこともあるでしょう。ここでは、特に複雑な人・数に関わる語彙の特徴を紹介するので、勉強の参考にしてください。
①人に関わる語彙
日本語は人に関わる語彙が多いです。「教師」「教諭」「先生」などのように同じ意味を表す異なる語彙が色々あります。
また、日本語は一人称も複数あるのも特徴です。「私」「僕」「俺」「うち」「あたい」「自分」、今はあまり使われなくなりましたが「わし」「拙者」「我輩」「某(それがし)」「麿(まろ)」「小生」「妾(わらわ)」「あっしなど」等、自分自身を表す語彙がたくさんあります。
②数を表す語彙
日本では1から10まで数を数える際、「4」を「し」または「よん」といい、「7」を「しち」か「なな」と発音します。
異なる発音を持つ数字がいくつかありますので、日本人は歴史の年号を覚えたりする時にそれを上手に利用して覚えやすい内容を持つ音にしたりします。
例:
◆894年 遣唐使の停止
⇒白紙(894はくし)に戻そう遣唐使
◆1192年 源頼朝が征夷大将軍となる
⇒いい国(1192いいくに)つくった源頼朝
6)その他の特徴
①主語が省略される
日本語は動詞や形容詞を変えることなく、主語を省略できる言語です。
ここでもまた聞き手側に察する力が求められます。
②同じ意味を持つ言葉が複数存在する
日本語は同義語が多いのが特徴的です。そのため状況や相手に応じて使う語彙を変えられという特徴を持っています。
③尊敬語・丁寧語・謙譲語の違い
日本語は敬語が大変発達しています。数多くのグラデーションがあり、それを正しく使い分けることが重要になります。
➃曖昧な表現が多い
日本語は曖昧な表現や複雑な言い回しを使うことで、相手にストレート過ぎない形で言いたいことを伝えることができる言語です。できるだけ協調性を重んじたいと考える日本人の国民性がそこに反映されていると言われています。そのため聞き手側からも行間を読む力や察する力が必要とされます。
⑤方言が豊富
日本語は方言が豊かです。
通語(標準語)は東京の中産階級のことばを基にし、それが全国に広まっています。全国各地に方言が分立していますが、大きくわけると「本土方言」と「琉球(りゅうきゅう)方言」とに二分されます。
更に「本土方言」は「東日本方言」、「西日本方言」、「九州方言」の三つに分かれます。そしてそれぞれの中で更に細分化されていきます。1953年に方言が16種類に分けられたのが、現在のスタンダードな分類方法となっているようです。
方言は語彙やアクセントだけではなく、文法的にも異なる場合があります。
【日本語学習者のためのお勧めポータルサイト】
https://www.jpf.go.jp/j/urawa/j_library/navi_05.html
https://tsunagarujp.bunka.go.jp/
https://mgu-cfla.cc-town.net/ls/japanese/02
https://www.marugoto.org/e-learning/
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