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​言語

カザフスタンの国語は「カザフ語」です。ロシア語が公用語となっています。カザフ語はカザフスタンのほか、他の中央アジアの国々、ロシア連邦、中国の新疆ウイグル自治区やモンゴル西部に住むカザフ民族の間でも使用されています。

カザフ語はテュルク諸語(中央アジア全体やモンゴル高原以西にあるアルタイ山脈を中心に東ヨーロッパから北アジア(シベリア)に至る広大な地域で話される語族)の中の北西語群(キプチャク語群)に分類され、北東方言、南部方言、西部方言という三つの方言を持っていると言われています。歴史的にはアラビア語、ペルシア語、モンゴル語の語彙がしばしば借用されていました。また、ロシア語からの借用語も多いです。
近代までカザフ人の間で文字はほとんど使われておらず、知識と情報の伝達・共有は口伝えに伝えられてきました。そのため口承文芸が大変発達しています。文語としては中央アジアのテュルク系言語の共通語であるチャガタイ語が使われてきましたが、19世紀後半からチャガタイ語の口語化が始まり、カザフ文語と呼ばれるものが形作られていきます。そして19世紀後半に刊行された「トルキスタン地方新聞」「ステップ地方新聞」などの媒体でカザフ語が使用されるにつれて、文章語としてのカザフ語も発達していくことになります。また、アルトゥンサリン、アバイらの文学作品も文章語の確立に貢献しました。
20世紀前半に改良アラビア文字での表記、ラテン文字の採用を経て、1940年から改良キリル文字によるカザフ語の表記法が採用されてきました。しかして、2006年にカザフスタンのナザルバエフ前大統領はカザフ語を12年から15年のうちにラテン文字表記に変える案を発表し、2012年12月には2025年までにキリル文字からラテン文字表記への切り替えを行うことが発表されました。
ソ連から独立した後もカザフスタンは他の中央アジア諸国に比べてロシア語が使用されることが多く、カザフ語は国家語、ロシア語は実質的な共通語としての地位を確立し、都市部ではカザフ語よりもロシア語を得意とするカザフ人が少なくありませんが、カザフ語の振興を掲げている政府の元で今後カザフ語が名実共に国家言語となってくるものと思われます。

★カザフ語についてのこぼれ話★

​➊

カザフ語は1500万人以上の人によって使用されています。また、約180万人のカザフ人以外の人がカザフ語をある程度話すことができると言われています。

中でもウズベク人、ウイグル人、キルギス人、トルコ人、アゼルバイジャン人、タタール人など、トルコ系民族による習得率が高いです。

​❷

カザフスタンのキリル文字は、カザフスタンおよびモンゴルで使用されているアルファベットです。

S. A. Amanzholovが開発し、1940年に採用されたこのアルファベットは、ロシア語のアルファベット33文字とカザフ語の特殊文字9文字の計42文字で構成されています。

カザフ語は、イラン、トルコ、モンゴル、アフガニスタン、そしてドイツでも使われています。

カザフスタンには、かつてロシアのヴォルガ地方から強制移住させられたドイツ系の人々が沢山住んでいました。

ソ連でペレストロイカが起きた時、これらのドイツ系の人々の中で「歴史的な故郷」、即ちドイツへの帰還者が相次ぎ、それに伴ってカザフ語を話す人がドイツ国内でもかなり増えたと言われます。

カザフ語ができれば、トルコ語、アゼルバイジャン語、キルギス語など、比較的容易に理解できます。

​❺

カザフ語は、世界で最も豊かで美しい言語の一つです。カザフ語の辞書には166,000語が収録されています。

カザフ語はロシア語と並んで「宇宙を最初に訪れた言語」です。

初期の衛星には、«Жолдастар! Мына пакеттi кiм тапса жакын жердегi жергiлiктi советке табыс етiлciн» (「同志! このパッケージを見つけた人は最寄りの地方自治体に提出してください。」)と書かれたデータパッケージが搭載されていました。理由はいたって単純です。

カプセルの着陸地点が予定した場所でない可能性があり、もしカザフの草原に落ちた場合、バイコヌールからの然るべき探索者ではなく、カザフの羊飼いの方が早くこのカプセルにたどり着くかもしれないことを想定していたからです。その羊飼いがロシア語を話せない可能性が高かったためメッセージがカザフ語でもかかれていた、というわけです。
英語、フランス語、中国語、日本語、その他すべての言語が物理的に宇宙に到達するのは、その後のこと。
従ってカザフ語がロシア語と並んで世界で最初に宇宙に行っていたことになります。

多くの東洋の言語がそうであるようにカザフ語でも動詞が常に文章の末尾にきます。

ロシア語の「お金」Деньги (デェニギ)という語彙は、テュルク語の「デンゲ」または「テンゲ」に由来するというのが多くの言語学者の一致した意見となっています。

ちなみに、カザフスタンの国家通貨は「テンゲ」と呼ばれています。

下記WEBサイトより抜粋転

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