【アバイ詩集】耳から入り、心に染みる
- KJ Silk Road 事務局
- 2024年9月26日
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アバイ詩集・叙事詩・訓戒の書より
耳から入り、心に染みる(詩集1897年)
耳から入り、心に染みるもの
良い歌と美しいメロディであれば
心に様々な思いが巡る
歌を愛するなら、私のように愛しなさい
世の中のことが頭から消え去り、
自分自身すら忘れるほどに
歌は心に響いては
身体を温めてくれるのだ
渇いた者が砂漠で水を見れば
即座にそこへ駆けつけるだろう
誰かに小突かれたり、叩かれたりとて
構わず、そこへ駆けつけるだろう
恋い焦がれさせ
過去を生き返らせ
人生を美しい服装で飾り立て、
無を有に変えてくれる
耳は過去のささやきを
聴いたような気になって
昔のことをよみがえらせて
その思い出で胸が一杯になる
過ぎ去りし日々の苦い毒を
飲んでは深く考え直し
そして人の偽りの騒動を
本当のことと思うようになる
いつも嘯くずるい奴らを
再び信じ始めてしまう
慌てぬ、逃げぬ
私が飲んでいないなどあるのか?
